こんにちは。AndGoのハードウェア担当の片山です。
前回(2020/09/08)はマイニングとエネルギーについてお話をしてきました。今回はマイニングについて一歩踏み込んで,これまでのトレンドからビットコインの未来がどのように変化していくのかを考えてみたいと思います。
前回「100 TH/s 3250 Watts」のASICのマイニングマシンを例にエネルギーの消費量を計算をしました*。もちろん過去にもASICのマイニングマシンが多く販売されていますので,消費電力あたりのハッシュレートを時系列で見ていきたいと思います。日本語のウェブサイトでマイニングマシンをまとめられているもの(https://mining-base.co.jp/blockch.../asic/profit_calculator/)がありました。こちらを参考に消費電力あたりのハッシュレートを計算してみます(Fig. 1)。縦軸は対数をとってみると,きれいに直線に乗っていることがおわかりいただけると思います。平均すると1ヶ月あたり3.53%性能向上していることがわかります。18ヶ月あたり1.87倍になっていて,実はほぼムーアの法則に沿っていることがわかります。ハッシュ計算を高速に行うというマイニングにしか使えない半導体もムーアの法則が成り立つことに感動します。
一方でマイニング報酬の半減期は4年弱です。すなわち,マイニングマシンの性能向上のスピードよりマイニング報酬が減少するスピードが遅くなるように設定されているので,マイニングの難易度を徐々に上昇させることでうまくバランスが取れるような非常に良くできた仕組みになっています。また,ハッシュレートの推移(https://www.blockchain.com/charts/hash-rate/)を見てみます(Fig. 2)。こちらは世界中のマイナーが合計でどれだけのハッシュ計算を1秒あたりにしているかを示すものです。100mTH/s=100ETH/sに収束しているようにも見えなくは無いです。