2020年12月24日 3 min read

「未来の1つの形」が見え始めた2020年を振り返る

すっかり年の暮れですが、みなさんの2020年はどのような一年だったでしょうか。私はなんとなく記憶がぼんやりしてしまっていますが、多くの人にとって環境が変化するなど目まぐるしい一年だったかと思います。自分はこのコラムを執筆する上でビットコインや仮想通貨に関連するトレンドや新しい話題に触れてきた中で、「未来はこんな形になるんじゃないか?」という10年後とか20年後の将来像のようなものが出来てきました。この未来像を完結にまとめると、LSATに関する記事で触れたMacaroonオフチェーンでアセットを発行するRGBプロトコル、そして暗号学的認証といったテーマを組み合わせたものです。

LSATと認証の未来

ブロックチェーン×認証は多くの人が思い描いている未来で、そのような用途を念頭に開発されているブロックチェーンが多数あります。これらは必ずしもオープンブロックチェーンではないですし、オープンであったとしても実際に個人や中小企業がノードを運用することが現実的とも限りません。ブロックチェーンかどうかは重要ではなく、単純に実装に使う技術の問題と言えるでしょう。私の考えに影響を与えたLSATとは、ライトニング払いでMacaroonトークンを受け取り、それを使ってウェブサイトなどのコンテンツにアクセスするコンセプトです。Maracoonには支払いの証明としてインボイスのプリイメージが含まれており、購入した内容によって閲覧できるコンテンツをサイト側で管理することなどができます。Macaroonの特徴として、権限移譲という優れた機能があります。これは、他社など他からのMacaroonの取得を利用条件に含むことができるというもので、例えば動画配信サイトにて特定の動画を見る際に「18歳以上だと認証してきてね」ということで、役所など18歳以上が確認できる何らかのサービスのMacaroonをもらってきて合わせて提示することでコンテンツが見られる、という機能を実現するものです。

この例だと成人向けコンテンツを見るのに役所に問い合わせるというディストピアですが、「誰が、何のために」が役所自体にはわからないやり方でできれば問題にはならないでしょう。

これは純粋に暗号学的に行うことができ、複雑なブロックチェーンも必要なく、技術的にも存在はするので実装も比較的しやすいのではないでしょうか。問題は、Macaroonが現時点ではほぼ使われておらず、ネットワーク効果がないので、導入に時間がかかるだろうということです。

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