はじめに
2025年6月30日現在、ビットコインは108,000ドル近辺で推移しています。なかなか最高値を突破できない市場のもどかしさも散見されますが、これも6月末までの現象かもしれません。
本レポートでは、過去のデータ分析を基に、2025年7月がビットコインにとって比較的強めの上昇月になる可能性について検証してみたいと思います。
過去のBTC月次リターン分析
まず、過去8年間(2017年-2024年)の月次騰落率を月別に分析してみましょう。8年間としているのは、ビットコインの半減期が4年周期であるためです。
半減期とは? ビットコインの採掘報酬が4年ごとに半減するイベントです。採掘報酬の減少により、市場へのビットコインの供給が減少し、価格上昇につながる可能性があります。
【図表1:BTC月次リターン分析表(2017-2024年)】

この分析から、1年間のうち2つの月だけがマイナスの平均リターンを記録していることが分かります。それが6月(-2.36%)と9月(-4.11%)です。
6月がイマイチさえなかった訳
常にビットコインを運用しているファンドなどにとって、1年間のどこかで一時的にポジションを調整する月が必要となります。過去の月次リターンでマイナスである6月と9月を、そのタイミングとして選んでいる可能性は十分にあるでしょう。
運用者も人間ですから、予測に反して月リターンが大きくプラスへ振れた時には、もっともらしい説明を準備しておく必要があります。
この月次のマイナス傾向は、専門家でない人にも理解できる根拠となる点で有力な材料となるのではないでしょうか。
下半期で注目すべき7月のパフォーマンス
さらに表を詳しく見てみると、下半期で2桁リターンが出ているのは7月と10月のみです。
- 7月:11.28%(勝率75.0%)
- 10月:20.83%(勝率87.5%)
1年間で月次リターンが2桁となっている月は4回しかなく、そのうちの2回が下半期に配置されています。こうなってくると、7月にビットコインへ資金を配分しようという動きは十分にあり得るのではないでしょうか。
S&P500との相関から見る7月の強さ
7月からビットコインが強気に推移しやすくなる背景を、別の角度から考えてみましょう。それは、米国の株価指数であるS&P500の月次リターンです。
【図表2:S&P500月次平均リターン(1928-2025年)】

1928年から2025年までのS&P500の月次平均リターンを見ると、7月が+1.70%で12ヶ月の中で最大のパフォーマンスとなっています。
現在のビットコインはリスク資産として認識
もちろん、米国の株価指数が上昇したからといって、ビットコインが上がるという因果関係に疑問があるという方もいらっしゃると思います。