2019年12月18日 4 min read

ビットコイン専業化は本当にトレンドか?

ビットコイン専業化は本当にトレンドか?
Photo by Traxer / Unsplash

2日ほど前にイギリスの取引所Coinfloorが「EthereumとBitcoin Cashの取り扱いを廃止し、ビットコイン専業になる」という発表をしました。

UK’s Oldest Crypto Exchange to Delist Ethereum and Focus Solely on Bitcoin
Coinfloor, the U.K.’s longest-running cryptocurrency exchange, plans to delist ethereum and bitcoin cash next month to focus solely on bitcoin.

理由として、今後数年かかるとされるイーサリアム2.0への対応の継続的運用負担、また取扱コストの増大に対して取引高や需要は減少してきていることを理由として挙げています。今後はビットコイン関連サービスに集中し、Lending市場への参入などを検討しているようです。


さて、需要がなくなってしまった弱小コインの取り扱い廃止は今までもありましたが、特に2番目に人気のイーサリアムを廃止というのは今までなかったと思います。CoinfloorのCEOはビットコインのエコシステムの成熟化とアルトコイン需要減を指摘していますが、他の取引所や企業も今後追随するのはあり得るのでしょうか?

取引所から見た仮想通貨の良しあし

さて今回の決定は、一般ユーザー的な視点から見ると少し以外かもしれないですが、取引所の人から見たらむしろ納得かもしれません。以前からイーサリアムのノードの運用、ハードフォーク(アップデート)の対応などの負担を指摘する関連事業者は多く、開発者レベルでは出来ることなら扱いたくない、という話は結構よく聞きます。上記に関連して、ちょうどタイミング良く昨日Coinmetricsが各コインのノード運用と監査に関する評価、ランク付けをする記事を公開していました。

Coin Metrics’ State of the Network: Issue 30
Tuesday, December 17, 2019

こちらは全てのコインを分析しているわけではないですが、重要なポイントとして、

  1. ビットコインもしくはビットコインベースのコインはノード運用や監査が楽
  2. イーサリアムのノード運用の大きな負担は良く指摘されるが、Coinmetricsの調査ではビットコインよりは評価は低いが、まだ運用可能なレベルと言ったところ
  3. EOSやRipple、Stellarなどはデータ容量が多すぎたり、Foundationなどが提供するデータなどなしで運用するのはほぼ不可能

    と言ったところでしょうか。

上記はCoinmetricsという1会社の評価ですが、取引所からの評価をつけるとしても上記に近い感じになるんじゃないかと思います。要は、一番人気で取引高もあるビットコインが最も運用が楽で、その他ブロックチェーンなどは運用が比較的大変、EOSなどに関してはほぼ不可能なレベル、という感じです。


Weissの仮想通貨ランキングみたいなものも公開されていますが、「ユーザー」「トレーダー/投資家」「アプリケーション開発者」「取引所」など誰の視点から見たものかで仮想通貨の評価は全く変わってきます。取引所への負担が大きいコインは今後上場が廃止されるリスクも大きくなる可能性があるので、一つの切り口として理解しておくべきでしょう。

それでもアルトコインの需要はまだ健在?

では取引所やウォレットプロバイダーがビットコイン以外の主要アルトコイン含めどんどん廃止していく流れが来るかと言うと、市場からの需要やビジネス上のリスクを考えると、少なくとも当面はビットコイン専業化のトレンドは来ないとも思います。

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