2023年7月31日 5 min read

Vol.219 諭吉の相場上等論:現代によみがえる”ウサギを高値で売り抜ける方法”(2023年7月31日)

Vol.219 諭吉の相場上等論:現代によみがえる”ウサギを高値で売り抜ける方法”(2023年7月31日)

一攫千金・・・夢があっていいですよね。元手の10万円が一晩で1億円とかになって、あとは賃貸の不動産でも買って賃料収入確定すれば、働かずに一生食っていける。。。

あ、別に私の夢を語っている訳ではないですよ(少し入っているけど)。日本の英智でもある福沢諭吉先生が、実はゴリゴリの相場推進派であった歴史などを読む中で、今の日本がダメだな~と思ったり、昔と同じやり方で外国にカネを持っていかれているな~と思ったりしたので、少し紹介をさせていただければと思います。

「一攫千金に書けた男たち・・・相場師異聞」鍋島高明 より

諭吉先生:”溺れるから泳ぎが危険”は詭弁だ

人の上に人を作らず・・・諭吉先生の有名な言葉です。

だからこそ平等な社会が大事...という風に解釈されがちなのですが、どっこい諭吉先生はそんな平和ボケした方ではありません。

後に続く文章では、学問をして物事を知る者は富を得るし、無学となれば貧して身分も下がると続けています。

さて諭吉先生は、明治25年に生糸の取引所開設を訴えてきて翌年開設にこぎ着けるわけですが、その過程で「いや投機とか先物ってキケンだし損するし、ダメでしょ?」と、まさに令和の日本で言われているような反対を受けます。

「あたかも、たまに溺死者あるをみて、遊泳の術を危険なりとするに異ならず」

その意見は、泳いで溺れる人がいるからといって、泳ぎの術が危険だと主張するのと同じだ・・・と諭吉先生は反論します。

さらに「投機の商法は商人修行の学校なり」とも述べます。

世の中にはいろんな動機を持った人がいることで成り立っている以上、一攫千金を狙う人もいれば、商売のリスクを減らしたい人もいる。それをつなぐのが商売であり取引所であるとの意見を貫きました。

諭吉先生がいまの日本を見たら、どう思うのでしょう?日本の主食であるコメは2022年に先物取引が廃止され、農協が価格決定権を握ったままとなりました。

「・・・しかし無知で見識の狭い田舎学者などは盛んに米相場所が有害無益であるといって廃止や規制を吹聴したけれども、社会はそのような腐れ儒学者の主張など認めず、そのようなことが実施されたことはなかった」

引用:福沢諭吉に学ぶ取引所有益論から
https://www.jcfia.gr.jp/study/ronbun-pdf/no13/3.pdf

諭吉先生、ついに日本では「そのようなことが実施」されてしまいました。どうか今の日本に帰ってきてくださいORZ。

ウサギを高値で売り抜ける方法

さて生糸の取引所が日本で整備される20年ほど前の明治6年頃には、日本は空前の投機ブームに沸いていたようです。

たとえばウサギなどが売れ始めると、珍種に高値がつき始め、さらなる高値を追い、財産を投げ打ち、娘を売ってウサギに全振りする人々も出てきたとか。

ここから先は、まさに2020年以降の仮想通貨市場で起きたことと同じ動きが書かれていましたので紹介してみます。

「とりわけ外人のなかには、巧妙な手段で西洋絵具を用いて次々に珍種らしく見えるウサギを作り上げ、ずいぶんもうける者がいて、東京は特にその影響を受け、市民はウサギに熱中し商売も手に付かぬようになってきた」

いや~、まさにウサギ商法、現代の仮想通貨で蘇りですね。では、その高値の上に咲き誇る兎を、いかにして高値で売り抜ける演出が行われたのでしょうか?

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