生きていく上での不安を調べると、No.1は、生活資金のようですね。最新のアンケートでは、健康よりも経済の方に不安が移り変わっていることが分かります。
・将来の不安要因1位は「生活資金など経済面」の70%
・備えの方法は「預貯金」が最多の61%
・70歳以上働くとした回答が39%に、調査開始以来最多
将来不安「経済」7割、「健康」上回る 学び直し意欲高まらず(日本経済新聞 2024/2/19)
アンケート対象は18歳以上の男女を無作為に抽出して行われていますので、年代別の分析はわかりません。それでも全体として、生活資金への不安が強まっている傾向は確認ができそうです。
これ、個人的には、備えている方法が「預貯金」である点に怖さを感じました。以下、少しだけ考えを述べてみます。
現金は穴の開いたバケツ・・・価値の保存には向いていない
「預貯金」とは、円やドルなど、国が発行する通貨を銀行などに預けておくことです。
たとえば世界最強の法定通貨である米ドルは、1971年にゴールドとの交換比率を固定相場から変動相場へと乗り換えています(ニクソンショック)。
当時35ドルだったゴールドは、2024年現在で2,000ドルを超えています。53年間で57倍ですから、年率約8%の速度で上昇しています。
計算式; (2000 /35)^(1/(2024-1971))- 1 = 0.07932
つまり預貯金を選択するのは、年8%ずつ(ゴールドに対して)目減りする資産を買い持ちしていることに他なりません。
苦労して井戸からくみ上げた水を、穴の開いたバケツに移すのは、あまり得策ではないでしょう。
もっとも、預金口座が毎年10%の金利を付けてくれるなら、現金保有は良い選択です。
金利に課せられる税金(所得税15%、復興特別所得税0.315%、地方税5%、合計20.315%)を抜いても、差し引き8%を手元に残すことができます。
現金を長期間保有するリスクの理解がすすめば、お金の悩みも一つは解決すると考えます。
インフレを生き抜くゴールドの保有方法
さて「Vol.246 インフレを生き抜くビットコインの保有方法🪙(2024年2月12日)」では、以下のような点を書いてきました。
- 実際の物価と指数は乖離しており、今こそインフレ対策が急務
- ビットコインなどの「価値保存手段」を保有することが有効
- 短期の利益を求めず長期保有を実行することでカモにされずにすむ
- 「つみたてとこ」を利用すると手軽にドルコスト平均法が実践できる
- 低コストで取引・保有することが長期的な投資効果を高める鍵
今回は、効率的にゴールドを保有する方法を書いてみたいと思います。