2020年9月8日 4 min read

Defi崩壊3つのシナリオi崩壊3つのシナリオ

引き続きDefi界隈をウォッチしています。

先週はSUSHIの運営者がすべての運営保有のSUSHIを売り払いExitをしたことが発覚しました。華麗なるExit Scamです。これをきっかけにSUSHIの値段が暴落し、1ドルをつけ高値からは1/10以下になりました。これに引きずられるようにすべてのコインが暴落し、まさにSUSHIショックともいうべき状況でした。

しかしながら、相場は少しもりかえしてきて、Defiブームも継続の機運があります。SUSHIは、取引所FTXのファウンダーに運営権を移譲し、それをきっかけに持ち直しています。

Defiブームが終わるとしたらどういうシナリオが考えられるかという話で、ひとつの可能性であった「大規模なExit Scamの発生」というのは、まさにそれがSHUSHIで発生したにもかかわらず、崩壊とまでいかなかったのです。

では、他にどのような崩壊の可能性がありえるのでしょうか?私は蓋然性の高いシナリオとして3つを考えています。インパクトの大きい順番から挙げて、それぞれを解説していきます。

1.ステーブルコインがトリガーとなる信用収縮連鎖

Defiでは、ファーミングをして、その預かり症を更にプールにいれて、その預かり症を更にステークすると貰えるトークンがあって・・・と何重にも仕組みがつみあがっています。まさに信用がパンパンにふくれあがっていて、2階建てどころか5階建て6階建てになっている例も珍しくありません。

その建物の土台になっているのは、ステーブルコインです。もしいくつかのコインのペグが外れ、そのおかげで精算がおこると、連鎖的に波及し、何段にもつみあがったDefiのバベルの塔は土台から崩れていってしまうでしょう。

信用が膨れ上がっている端的な例は、COMPのマキシマイズファーミングです。COMPはCompoundのガバナンストークンで、Compound上で貸し借りを行った額に比例して付与されます。これをマキシマイズさせる方法があります。

手法はこうです。

手許に10,000USDCがあるとします。これをCompoundに預け入れる(担保にする)と、他のステーブルコインを借りることができます。たとえば、DAIを担保上限(70%)まで、6666DAIまで借りることができます。こんどはその借りたDAIを更にコンパウンドに預入て、USDCを借ります(!)。6666DAIの66%つまり、4400USDCを借りるのです。そして、4400USDCを担保にもうちとDAIを借りて・・・・(以下無限ループ)

このようにして、Compound上での貸付・借り入れの額を自分でつくりだすのです。手元1万ドルををこのマキシマイズにかけると3万7000ドルほどの額をCompound上にポジションすることができます。なぜこんな無意味なことをするかというと、Compound上のポジションに比例してCOMPトークンがもらえるからです。

単純に1万ドルを貸し借りするより、3.7倍のレバレッジをかけることができます。このようにして、トークンのファーミングを目的として、大幅なレバレッジを掛けたポジションがあちらこちらで構築されています。

Compoundの例で、こんな危ないポジションを立てられるのは、ステーブルコインだからです。価格が変動しないといわれているため、担保いっぱいまで借り入れを起こしても安全なのです。しかし、もちろん、ステーブルコインのペグが仮に外れた場合は、一気にこのポジションが連鎖精算に追い込まれます。ギリギリまで借り入れしているので、たとえばペグが数%外れただけでも、精算されてしまいます。

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