2020年7月29日 8 min read

DeFiトークンの現状と17年のICOバブル、ビットコインとの類似点

先週ICOと現在のDeFiトークンバブルは非常に似ている、という話をしました。昨日は大石さんが実際にDeFiトークン生成の仕組みや課題の解説をしました。このレポートでは各種統計などを見ながら、過去のICOの現象と比較しつつ、DeFiバブルの現状と将来的な展開について考えてみます。

DeFiにロックアップされる金額の急激な上昇

  • DeFiトークンの出現により、DeFiサービスを使うことで新規トークンが入手できるスキーム(Farming or Liquidity mining)が人気に
  • それにより、DeFiにロックアップされる価値も急増
  • DeFi Pulseによれば、DeFiにロックアップされている価値はこの3か月で1000億円程度から4000億円近くまで跳ね上がっている

Dex取引高が集権的取引所を超え始める

  • DeFiトークンの出現後Dexの取引高も急増。現状一日での取引高は300億円近くまで伸びて来ている。
  • DexシェアトップのUniswapは、一日での取引高もすでに100億を超えている。

   ・ちなみに一番利用されている取引ペアはAMPL-ETH(AMPLはいわゆる草コインだが、後で紹介)

  ・Uniswapの取引高だけで日本のbitFlyerの現物と同程度と言えばイメージしやすいか。多くの集権的取引所の取引高を逆転する現象が起きている

  • Dexの取引の主な用途はLiquidityマイニングで新しいDeFiトークンを生成する為、また集権的取引所では取引出来ないDeFiトークンをトレードする為
  • DeFiブームが今後進行するにつれ、Dexでの取引高もさらに膨らんでいくはず

  ・ICOバブル時に、ICOによる調達額が伝統的なVC投資額を抜いた現象とある種近い感覚を覚える部分もある

DeFiブームは少数の人間により演出されている

  • 取引高は急激に伸びている一方、DexやDeFiのオンチェーンでの利用者数は実はかなり少なく、DeFiブームというのは極一部のユーザーが人工的にロックアップ金額や取引高を作っている現実が見える。
  • オンチェーン上のアドレスを追うと、1週間で約4000人しかUniswapを使っておらず、単純計算で一人当たり週平均約5,000万円ほど取引していることになる。これは集権的な取引所と比較しても明らかに少数のトレーダーに利用が偏っているのがわかる。
  • Dex利用を含む今のLiquidityマイニングというのは、ルールをよく理解した少数の大口投資家やプロジェクトに近しい人たちがお金を拾って、それを仕組みをよくわかっていない通常の投資家にFTXやBinanceなどでノーリスクで売りつけ、それをひたすらに繰り返している、という構造がオンチェーンの取引高とユーザー数の大きな格差から見て取れる

17年~18年ICOバブル形成初期との感覚的類似点

  • 感覚的には17年のICOバブルの様子と似ている部分がかなりあるが、Google検索トレンドを見るとまだまだICOバブルの頂点(18年1月)の10分の1程度。まだまだ17年のICOバブルの熱狂とは程遠いし、マスメディアでの紹介もまだほぼないし、一般の人は感覚的には入ってきていない
  • ただし、かつての一時的なインフルエンサーが冬眠から目覚め始めたり、バブルの始まりてノーリスクで儲けようとする(悪徳)インフルエンサーが急激に煽り始めてからがバブル相場の本番を迎える可能性

  ・スキャムDeFiプロジェクトとインフルエンサーが直接結託し始めるはず

イーサリアムのオンチェーン手数料問題は17年のビットコインを超えていく

  • DeFi利用などの増加をうけ、イーサリアムのトランザクション手数料は急激に上がってきており、推奨Gas Priceは100Gweiくらいまですでに高騰している
  • これは感覚的にどれくらい高いかというと、通常の送金Txで50~100円、貸出など比較的シンプルなDeFiコントラクトの利用で400~500円、Kyberでのトークンスワップでなんと5000円程度手数料を要求された

  a.すでに手数料が超高騰してかなり苦しかった17年のビットコインの手数料を超えるレベルまで静かに来ている

  • 仮想通貨価格の全体的な上昇に応じてTetherの利用も着実に増えてきている。市場全体がATHを目指して上がっていくと、Tetherの利用も爆発し、イーサリアムの手数料問題をさらに悪化させる
  • Ethereumの手数料高騰は、DeFiトークン関連Tx増加、トレード関連のTetherの利用増加、先日紹介したスキャムDappsによるブロックチェーン汚染なども考えると、ここからさらに悪化していく可能性が非常に高い

  ・17年のビットコインでも経験していない領域まで一度は突き進む可能性がある

  • Bitinfochartsによれば、まだビットコインの方がEthereumより平均手数料の中央値は高いが、自分で使っている体感的にはイーサリアム、特にDexやコントラクトの利用はビットコインよりすでに高くなってきている。
  • 手数料高騰の影響で、DeFiトークンファーミングの大口投資家による独占の助長、DeFiトークン以外のNFTなどのユースケースが難しくなってきている

  ・似たような現象はビットコインの送金手数料が高騰した17年にも見られた

  ・その後「高手数料」を理由にユーザー利用が別の仮想通貨に一部移り、ビットコインの市場占有率が低下した。同じことは一部イーサリアムにも起きる可能性が高い

DeFiトークンの焼き畑農業現象

  • DeFiトークンのユースケースは、長期での市場価値をあまり感じない「ガバナンストークン」が今のところ中心である
  • CompoundのトークンCompのガバナンストークンが上手く行ったことで、似たようなDeFiトークンを組み込むコピーキャットプロジェクトが大量に生まれ始めている
  • 元祖DeFiトークンのCOMPは、6月22日の4万円のATHから3分の1くらいまですでに価格がクラッシュし、取引高も減少してきている
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