2020年5月28日 4 min read

VR内のウォレットを考える

VR内のウォレットを考える
Photo by Cash Macanaya / Unsplash

最近コロナウィルスによって多くの人が自宅にいる時間が伸びたことなどにより、VRが流行していることには前にも触れたかと思います。(もしここで触れていなくても、VRが話題に上ることが増えたと感じる人は多いのではないでしょうか。)

ビットコイン周りでも、RecklessVRによる毎週土曜深夜のプチカンファレンスや、先日のビットコイナー反省会放送でもさらっと紹介したプチカンファレンス+ゲーム大会のMintgoxなど、VRを活用したイベントが増えています。

しかし、よく考えれば私達はVR空間においてビットコインをスムーズに使用するためのUIを持ちません。そこで今日はVR空間でのビットコインやライトニングのウォレットがどんな形になるか、妄想してみました。

ICOで2600万ドルを集め、イーサリアム上のNFTを使って有限のVR空間での土地の所有権を表現するDecentralandというプロジェクトはVRの探索にブラウザを使用するのですが、アイテムや土地の取引は別のウィンドウを開いてMetamaskで行うため、VR空間特有のウォレット体験があるわけではない模様です。
VR空間自体はけっこうセカンドライフ的なポテンシャルを感じるのですが…。
VRの制約

VRという媒体には、既存のウォレットを使う上で障害となる様々な制約があります。

VRヘッドセットを装着したままでPCやスマホのウォレットを使うのは難しい
VRの世界を見ているときにPCやスマホのウォレットを操作することはUXとしては最悪です。支払いのためにVRヘッドセットを外すのは一気に没入感が失われる上、コンテンツの流れを止めてしまうので用途の幅を狭めてしまいます。(即時性の高いコンテンツに支払いを組み込めない)
また、VRヘッドセット内の画面をスマホのカメラで写すことは当然できません。ただ、VRヘッドセットにカメラがついている場合が多いので、スマホからウォレット情報をインポートすることはできるでしょう。

画面共有機能があるので、センシティブな情報を表示するのは良くない
ほとんどのヘッドセットにおいて、スマホやテレビ、パソコンに画面を共有して第三者にも楽しんでもらう機能があります。この機能があるため、パスワードやシードフレーズなどを表示するのはなるべく避けたいです。共有をオフにしていたとしても、実はオンになっていたとか、バグがある可能性があり、その際にヘッドセットをしている本人は気づきません。
また、最近流行りの動画配信にも向いていません。

長い文字列の入力には(現時点では)向いていない。(パスワード含む)
コントローラーを使っても、長文の文字列の入力はかなり面倒くさいです。ただこれはウォレットというかVR全体の課題です。(なるべく文字を入力させないコンテンツにすることが大事)
ですので、支払いのたびにパスワードを入力するようなUIは不向きです。

コントローラーvsハンドトラッキング
現在主にこの2種類の操作方法があり、片手に1つずつコントローラーを持つ方式が主流ですが、将来的にはハンドトラッキングという手の形を認識して「触って」操作する方式が主流になる可能性があるのでUIを考え直す必要が出てくるかもしれません。

VRヘッドセットのウォレットのセットアップ

個人的なイメージとしては、ヘッドセットで文字を入力するのはお手軽でもセキュアでもないので、スマホから一度だけウォレットの接続に必要な情報をQRコード経由でヘッドセットに入力する形が一番スムーズかと思います。

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