2022年9月7日 5 min read

サッカーとNFTについて(3)ファントークン

サッカーとNFTについて(3)ファントークン
Photo by Jimmy Conover / Unsplash

これまでに引き続き、サッカーにおけるNFTの利用について調べ、その考察をしていこうと思います。今回はファントークンについてです。ファントークンを発行・販売することで、クラブは運営資金を得ます。一方、購入した人(サポーター)は、クラブの意思決定に参加したり、様々な特典等を受けます。ヨーロッパの特に人気のあるビッグクラブはかなり多く導入しています(参考としてSocios.com)。日本でもいくつかのクラブが発行されています。これらについて調べてみました。

クラブ経営の観点

サッカー界はグローバル市場で発展しており、欧州トップリーグのビッグクラブを中心としたピラミッド構造になっているといわれています。詳しくは、電通でサッカービジネスに携わっておられた大井氏の論文が分かりやすくまとまっています。

現在のサッカー界はとてもグローバルな世界でして、国際試合や選手移籍が活発に行われています。論文中で解説されていますが、いわゆるEUによるボスマン判決(1995年)やFIFAによる移籍制度改革(2001~2005年頃)などによって、欧州に世界中の優秀な選手が集中するようになりました。経営規模の点からみても、欧州トップのリーグに対してその他のリーグのクラブは太刀打ちできません。特にイングランドプレミアリーグ(EPL)が独り勝ちの様相です。

しかし、営業収入が大きい欧州ビッグクラブでも、放漫経営による経営問題がコロナ前からありました。どのクラブでも一歩間違えれば破綻の危機があります。そこで経営を安定させるために、アジアや北米などの新しい市場に進出するようになります。2002年にアジアで初めての日韓W杯が開催され、その後、ヨーロッパのビッグクラブが日本ツアー・アジアツアー・北米ツアーなどをオフシーズンに行うようになりました。

その結果、国外のサポーターを獲得することになり、放映権料による収入が増加することになりました。例えば、EPLの放映権料はイングランド国内と国外でおよそ半々になっており、国外放映権収入の割合が非常に大きいです。例えば、タイのファンが週末にバンコクのビアガーデン中継みて楽しんでいるわけです。彼らは飛行機で12時間などの時間をかけてスタジアムに来ることはなかなかできません。代わりに中継を見たり、グッズを買ったりするような人です。日本にもたくさんいますね。

タイのキング・パワー・グループ設立者のビチャイ・スリバダナプラブハ氏は2010年にレスター・シティを約3900万ポンドで取得しました。ほかにもアジアの大企業がスポンサーになっています。このような方策を通じて、国内も含めて、国外のファンからも試合が無い日を含めて収益を上げたいという考え方があります。欧州クラブでNFTによる仕掛けはそのような背景があると思います。

一方で、日本のクラブが欧州トップクラブと同様のことを行ったとしても、事情が異なることになると思われます。まず、日本のスタジアムは(集客力に対して)大きすぎる場合が多いです。欧州では人気クラブの試合チケットはなかなか手に入らず、価格も高騰しています。しかし、Jリーグではそこまでのクラブはありません。試合に来てもらう努力が大事のように感じます。そのうえでクラブの価値を高めなければ、たくさんの海外の人が観るリーグになれません。

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