ビットコイン愛好家の皆さん、こんにちは、前回は恐怖指数について書きましたが、今回は もう一つの強力なオンチェーン指標について紹介したいと思います。
その名もNUPL(ネット未実現損益)と言うものです。
「ヌプル」って呼んでも良さそうですけれども、なんだか難しそうな名前ではありますね。
ただ、中身を知ると直感的でかなり役立つ指標であるので、今回の記事でさくっと理解をしてしまいましょう。
NUPL 確定していないBTC全体の利益の総額
NUPLと聞くと、難しそうに聞こえますね。でも安心してください。
シンプルに言うと、現時点でビットコイン保有者全体がどれくらい未確定の利益もしくは損失を持っているのかということです。
より具体的には、現在の未実現利益の総額から実現損失の総額を引いて、それを現在の市場価値で割った値となります。ちょっとわかりづらいので、実例で考えてみましょう。
ここに5人の投資家がいるとしましょう。それぞれ2021年の4月から2024年3月まで異なるビットコイン価格で異なるビットコインを購入してきたものとします。以下1つの例として表を作成してみました。

注: 現在のビットコイン価格は約1,518万円として計算(2025年5月1日現在)
例えば1番上の田中さんは、2021年4月に1ビットコインあたり632万円の時に、0.02ビットコイン を購入しました。このときの投資額は12.6万円です。
そして、現在の1ビットコイン価格は1518万円となるため、保有している0.02ビットコインの評価額は30.4万円となります。
すると現在価値30.4万円から投資額の12.6万円を差し引き、確定していない未実現損益は17.8万円となります。これらの計算を5人の投資家すべて並べたときの一覧が上となります。
では上の表からNUPLを計算してみますね。

保有しているすべてのビットコインの現在価値が242.9万円。ここから支払いに応じた資金71.1万円を差し引くと171.8万円が未実現利益の総額として残ることになります。
NUPLは、この未実現損益を現在の市場価値で割った%となるため、上のように0.71つまり71%と計算をされます。
NUPLの値って何を意味するの?
NUPLの値は-1から+1の間で変動します。つまり、-100%から+100%の間ということですね。
以下は、この数値に市場がどのような状態にあるかを表したものです。
- NUPL > 0: 市場全体で未実現利益が出ている状態
- NUPL = 0: 未実現利益と未実現損失がちょうど同じ
- NUPL < 0: 市場全体で未実現損失が出ている状態
では、これを使ってどのようなことがわかるのでしょうか。実はこれは、市場の心理を数値化した強力な指標となることがあります。