すこし前にビットコイン版デビットカードことBolt Cardを紹介しました。
開発動向が早く、さっそく色々とエコシステムが育っています。今回はそのへんの最新動向をキャッチアップしようと思います。
セットアップが簡単になった
前回の記事をおさらいすると、Bolt Cardを自作するには大雑把に次のステップをふむ必要があります。
- カードを手に入れる
- カードに好きなガラを印刷する
- Bolt Card Serviceを立ち上げる
- カードをBolt Card Serviceに登録する
前回のコラムではステップ3、4はさらっと流していたのですが実は結構大変だったりします。ライトニングノード、Bolt Card Serviceを立ち上げるサーバーを用意し、それらをAPI接続する必要があります。インターネット上で名前解決できる必要があり、ドメインも別途用意する必要があったりします。カード登録用に登録専用のアプリを用意する必要もあります。これらを別々にセットアップするのはなかなか大変です。
ここの手間をある程度巻き取ってくれるオープンソースなプロダクト"Bolt Card Wallet"が登場しましたのでご紹介します。
Bolt Card Wallet
Bolt Card Walletの見た目はこんなかんじです。
どこかで見覚えがありますね。そう、こちらはBlueWalletのフォークとなります。BlueWalletをベースにBolt Cardとの連携機能が搭載されています。
オリジナルのBlueWalletはカストディアルウォレットであり、事業者であるBlueWallet開発元がユーザーのライトニングウォレットを代わりに管理する仕組みでした。このへんBolt Card Walletではどうなっているのでしょうか。
実は、元々BlueWalletもウォレット部分については、自身で独自に立ち上げたノンカストディアルなものに差し替えられる仕組みが搭載されていました。具体的には、ウォレット部分はBlueWallet製のLndHubという独立したOSSプロダクトとして切り離されています。カストディアルウォレットの実体はLndHubをBlueWallet開発元自身が実際に動かして運用しているものであり、BlueWalletはデフォルト動作としてそこを利用するような作りになっています。
Bolt Card Walletも基本は同じなのですが、LndHubをフォークしBolt Card Serverの機能まで付加させたBolt Card Hubというものをウォレットの実体として紐付ける点が違います。
ということで、Bolt Card Walletを使う人はBolt Card Hubを自前で建てる必要があります。あるいは、どこかの誰かが運用しているものを利用しても大丈夫です。この場合、BlueWalletと同様のカストディアルな形でのウォレットとなります。
さて、Bolt Card Hubですが、これを自前で建てるためのチュートリアル動画が最近公開されました。こちらとてもわかりやすいので、実践したい方は是非参照してみてください。本コラム執筆時点で再生回数200回にも届いてなくてちょっと寂しいかんじ。有料コンテンツには、いいねを押してあげましょう。
このチュートリアルでは、
- AWS LightsailというVPS(サーバー)を契約($10/月)
- AWS Route53でドメインを取得
- Voltageでライトニングノードをセットアップ(Standard Node)
- Bolt Card HubをDockerを使ってVPS上にセットアップし、ライトニングノードをAPI接続、ドメインをアタッチ
- Bolt Card WalletにてBolt Card Hubのurlを指定
といったことを行っています。
さくさくやると30分程度で終わるかんじです。
できあいのBolt Cardを売っているところ
印刷済みのBolt Cardを販売する事業者も少しでてきているようです。
CoinCorner (本家開発元): https://www.coincorner.com/BuyTheBoltCard
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