今回はビットコインの自己管理についての考察ですが、今日未明にビッグニュースが飛び込んできたので、まずこちらをご紹介。

TwitterがStrike APIを使ったLightning Network上で投げ銭できる機能をリリースしました(iOS限定ですがAndroidにも近日対応予定)。現時点ではLightning受金できるのはStrikeにアカウントを持つ人、つまり、アメリカ(NYとハワイは除く)とエルサルバドル在住の人に限られます。それ以外の人は、受金はオンチェーンのみでアドレスも固定ですが、送金にはLightning Networkが使えます。

早速、Strike CEO Jack Mallers氏に投げ銭してみましたが、UIは直感的でUXはフリクションレスです。文末上段画像で説明すると、左から送金額指定→メッセージ入力(任意?)→Lightningウォレット(私の場合、Twitterが勝手にBreezを指定)に移動して送金承認→送金完了と最短3タップで完了します。新体験はクセになる面白さなので、投げ過ぎ注意ですね。

Strike APIは現在クローズドですが、アーリーアクセスは http://strike.me/api/contact から申請できます。日本は規制がグレーなので、せっかくのイノベーションを積極的に取り入れようとする開発者は少ないかもしれません。CNBCのPower Lunchに出演したMallers氏は規制について、貨幣/資産/コモディティとしてのビットコインと、国際送金ネットワークとしてのビットコインを区別することで、より柔軟な運用が可能ではと語っていました。

Twitterという世界最大SNSのひとつが、即時着金をゼロに近い低コストで実現するオープンかつグローバルな送金ネットワークにつながったというインパクトは、おそらく日本に住む私たちが感じる以上に大きいです。ビットコインコミュニティの外でのLightningの知名度と認知度は飛躍的に上昇し、参入企業も大幅に増えることが見込まれます。日本でも、この波に乗って世界に向けてサービス展開する企業やプロジェクトが出てくることを期待せずにはいられません。

本件の詳細は以下記事をご参照ください。Mallers氏によるデモ動画もあります。

https://jimmymow.medium.com/announcing-the-strike-api...

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以下、本題です。

ビットコイナーとの会話によくのぼる話題の一つにビットコインの管理方法があります。ビットコイン歴の長いOGと呼ばれる人たちや、ビットコインの技術と仕組みを熟知したエンジニアでさえも、自分の管理方法に100%自信を持つ人は少ないです。これほどハードルが高いのだから、ビットコイン歴の浅い、技術素養もスキルも乏しい私のような人間が常にGox恐怖にビクビクし、時にセルフGoxの悪夢にうなされるのも仕方がないのかなと妙に納得してしまうところでもあります。

昨夜、急遽Twitterで実施したビットコインの管理に関するアンケート(結果は文末下図参照)によると、ビットコインの最もメジャーな管理方法は「取引所に置きっぱなし」で、54%を占めます。予想通りとはいえ、がっかりです。ただ、次点が「モバイル/Webウォレットで管理」の9%を抑えて「ハードウェアウォレットで管理」が32%だったことには希望を感じます。

さらに、これも予想はしていましたが、ウォレットで自己管理している人の中に「バックアップはとっていない」人が14%(カストディアルなウォレットを利用していて、バックアップが不要なケースが含まれる可能性あり)、バックアップはとっていてもスクショやメモ帳アプリなどデジタルフォーマットで(おそらくネット接続端末に)保存している人が25%を占めます。また、76%がバックアップを「自宅」保管しています。ウォレット本体も同じく自宅保管であると推測されることから、自然災害リスクへの備えは不十分と言えます。

アンケートは残念な結果になりましたが、これはビットコイン保有者の怠慢だけではなく、自己管理にまつわるペインを解決するソリューションがない、自己管理の重要性を伝える教育が足りないという現実の反映にすぎません。

自己管理のハードルが下がらなければ、せっかくビットコインというフリーダムマネー、没収リスクとは無縁の資産を手にしたにも関わらず、管理は取引所任せという本末転倒の現状を変えることはできず、金本位制が法定通貨制度に代替された過去の過ちを繰り返しかねません。”Not your key, not your Bitcoin”というマントラを連呼し、第三者にビットコイン管理を委ねるリスクを叫んでも、使いこなせるツールがなければ行動変容は望めません。

幸い、昨年はSpecterやSparrowといったマルチシグを簡単に構築できるソフトウェア開発が加速し、今年に入るとBlockstreamの参入、Jack Dorseyの肝入りプロジェクトTBDによる1,000円以下という超格安デバイス開発計画の発表、予算5,000円以下で自作可能なSeed Signerの登場など、Ledger、Trezor、Coinkiteの3社寡占が続いているハードウェアウォレット市場にも変化の兆しが見えるなど、自己管理のオプションは拡充しています。

本コラムでは、技術リテラシーが高くない私が何度もGoxの危機に瀕し、実際に何度かGoxしながら歩んだ自己管理の修業道と、修行を経て辿り着いた現在の管理方法をご紹介します。

注)決して私の管理方法をお勧めするものではありません。今利用可能なツールの紹介、自分に合った管理方法の見つけ方の参考情報としてご活用いただければ幸いです。

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ステージ1:LEDGER NANO S

2017年11月に初めてビットコインを購入するのとほぼ同時に、Ledger Nano Sを購入しました。当時はハードウェアウォレットといえば、LedgerかTrezorの2択しかない状況で(他にもあったかもしれませんが、初心者の私のレーダーには引っかかりませんでした)、単に見た目が好みという理由でLedgerを選びました。

今考えると恐ろしいですが、購入チャネルはLedgerの直販サイトでも公式販売代理店ではなく、Amazonの転売屋でした。しかも、実名、クレジットカード決済、配送先も自宅です。

ウォレットの初期設定はYouTubeのチュートリアルを見ながら行い、ニモニックは同梱の紙に書き写し、封筒に入れて封印の上、「大事なものだから捨てないで」と注意書きを表記して家族が契約する銀行の貸金庫に入れさせてもらいました。

その後1年半ほどは、取引所で購入したビットコインがある程度の数量になると、Ledgerに移すというのを繰り返しました。

ステージ2:COLDCARD

ビッグニュースの紹介もあり、長文になってしまったため、ステージ2以降は来週に持ち越します。

みなさま、良い週末を。