2025年5月26日 7 min read

Vol.312:国家がビットコインを奪いに来る?ロシア没収法案で考える、これからの自己防衛術(2025年5月27日)

Vol.312:国家がビットコインを奪いに来る?ロシア没収法案で考える、これからの自己防衛術(2025年5月27日)

こんにちは。最近、読者の方から「ロシアがビットコインを没収する法案を出したって聞いたんですが、これって他の国でも起こるんでしょうか?」というご質問をいただきました。

確かに気になりますよね。今回は、この話題について一緒に考えてみたいと思います。

今回のロシアの動きを詳しく見ていくと、国家による暗号資産コントロールの「新時代」が始まっているのかもしれません。そして、これは私たち個人投資家にとって、真剣に考えるべき課題になってきています。

ロシアの「法暗号資産没収法案」って?

「ロシアがビットコインを没収する法案を出した」と聞いても、具体的に何ができるようになるのか、よくわからないですよね。

まず、今回の法案の中身を詳しく見てみましょう。

2025年5月、ロシア司法省が暗号資産没収法案を提出しました。この法案の核心は、ビットコインなどのデジタル資産を「財産」として法的に分類することを可能にした点にあります。

シンプルに言うと、「ビットコインも家や車と同じような財産として扱い、犯罪に使われた場合は政府が取り上げることができる」という法律です。

具体的にどんなことができるようになるの?

この法案では、これまでと比較にならないほど具体的な手順が決められています。

まず、「コールドウォレット」と「ホットウォレット」の両方に対応しています。

コールドウォレットというのは、USBのような物理的なデバイスに保存されたビットコインのことですね。

対してホットウォレットは、取引所やスマホアプリに保存されているビットコインだと考えておけばOKです。

どちらの場合も、新しい法案では、警察や捜査機関が押収できるようになります。

さらに興味深いのは、「技術専門家の関与」が義務付けられていることです。ビットコインは複雑な技術なので、専門家がいないと適切に押収することもかないませんからね。

まるで、ミッションインポシブルでベンジーがイーサンを補助し続ける感じですね。

シードフレーズも押収対象に

特に注目すべきは、シードフレーズ(復元用の単語群)などの認証情報も押収対象になったことでしょうか。

シードフレーズというのは、ビットコインウォレットを復元するための12個や24個の英単語のことです。

これまでは、「シードフレーズを紙に書いて隠しておけば安全」と言われていました。でも、この法案では、そうした物理的な記録媒体も押収対象になった点で画期的だと言えそうです。

調査中の資産移転も可能に

さらに驚くべきことに、捜査中にビットコインを特別な政府管理のアドレスに移転させることも可能になっています。

これは、捜査が終わるまでの間、ビットコインを「政府の金庫」に一時的に保管するようなイメージです。こうすることで、所有者が勝手にビットコインを移動させたり、隠したりすることを防げます。

なんなんですか?この鬼のような法律は。。。

国内利用には厳しい罰金も

法案と同時に、国内でのビットコイン決済には厳しい罰金も設けられています。

個人なら約18万円〜36万円、企業なら約126万円〜180万円の罰金です。つまり、「国際取引はOKだけど、国内の買い物には使っちゃダメ」ということですね。

「突然の法案」という誤解を解く

この法案だけ見ていると「ロシアが急にビットコイン規制を強化した」ように見えます。

実は、ロシアは約10年前からこの日に向けて準備を進めてきました。

まるで、長期計画を立てて家を建てるような感じです。土台作りから始まって、骨組みを組んで、最後に屋根を載せる。今回の法案は、その「屋根」にあたる部分だとも言えそうです。

んー、総仕上げ的な感じとでも言えそうですね。

二面戦略という巧妙な仕組み

ロシアの暗号資産政策には、とても興味深い特徴があります。それは「二面戦略」とでも呼べるアプローチです。

これをシンプルに言い換えると、「国内では厳しく管理し、国際的な決済には積極的に活用する」という戦略です。

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