こんにちは。ビットコインが再び波乱の展開を見せていますね。
6万ドルを割り込む価格の下落、ドイツ当局の押収ビットコイン売却、そしてMtGox債務者への返済開始—これらのニュースが市場に不安をもたらし、弱気な見方も徐々に広がっています。
しかし、表面的な価格動向の裏に隠れた、もっと興味深い物語があります。それは先物市場が語る、まったく異なる未来像です。
この記事では、現物価格と先物価格の関係性に焦点を当て、一見矛盾するように見える市場のシグナルを紐解いていきます。
そして、このデータが示唆する可能性—ビットコインが今年10月に2千万円に到達するかもしれないという可能性について、詳しく探っていきます。
市場の水面下で何が起きているのか、そしてなぜ今が重要な転換点となっているのかなど、一緒に掘り下げていきましょう!
将来の価格が取引されているビットコインの先物市場
ビットコインの先物市場では、「将来」の価格が日々取引をされています。例えば下の画像は、2024年7月5日の時期と価格の一覧です。
左端の欄は、どの時点での取引価格かを表しています。たとえば図中でハイライトした部分は、以下のようになっています。
2024年12月・・・59,025ドル
2025年12月・・・65,215ドル
こうしてみると、より先の将来である2025年のほうが「高い」値段で取引されていることがわかります。どのくらいの「高さ」かというと、、、
(65,215 - 59,025) / 59,025 = 約10.49%
2024年12月から2025年12月までの1年間で、約10.49%のプレミアムが見込まれていることがわかります。
では、なぜそんなプレミアムが発生するのでしょう?
理由の一つは、先物取引では決済まで資金を拘束する必要がないため、その金利に相当する分は将来価格が高くなるとされています。
現在の政策金利を基準として考えるなら、5.25-5.50%あたりのプレミアムまでは、これで説明がつくことになります。
ですが、残り5%(10.5%のプレミアムから、5.5%の政策金利を差し引いたもの)は別の要因で起きていると言えます。
この要因の一つは、市場の値上がり期待であると考えられます。
ざっくり言えば、ビットコインの将来価格が現在価格と比較して高くなるほど、先物市場参加者がビットコインに対して強気な姿勢を保っていると言うことができるかもしれません。
ほぼ常に右肩上がりなビットコインの先物曲線
ここまでで、将来価格のほうが現在価格よりも高くなるとき、先物市場では値上がり期待が強いことを明らかにしてきました。
たとえば図1で出したビットコインの先物価格をグラフにすると、以下のようにきれいな右肩上がりが完成します。
このように、先物価格のつながりを表した線を、当記事では「先物曲線」と呼ぶことにします。
参考までに、図のような将来に向かって継続的な値上がりとなっている先物曲線は、一般的に「コンタンゴ」と呼称されます。
コンタンゴの語源は、19世紀中盤にさかのぼるようです。
ロンドンの証券ディーラーの間で "continuation"(継続)を意味するスペイン語の "continuar" が使われていて、これが訛って "contango" になったとか。
でもまぁ個人的な見解ですが、あえて一般の人に馴染まない言葉を使う意図もあったのではないでしょうか?
だって先物曲線とかをみんなが使い始めたら、プロが技術で優位性を残せる領域が減っていくことになりますからね。
あ、いえ、別にページのビュー数が伸びない(かもしれない)理由を、先物曲線とかコンタンゴの用語に転嫁しているわけじゃないですよ!
ほぼ最安値に位置している今のビットコイン
ここまでで、先物曲線が右肩上がりであるほど、市場の値上がり期待が高いことを述べてきました。
では、その先物曲線の上昇角度と、現時点で取引されている現物ビットコイン価格とを比較してやれば、何か新しいことが見つかるかもしれません。
いくつか指標をいじって、それっぽい指標を作成してみたのが以下の図です。
https://www.tradingview.com/x/jpv0pwys/
直近の数字(-20)は、CMEでビットコイン先物が取引を開始して以降、2番目に安い水準となっています。
ここからは、過去にビットコインの価格が先物曲線に対して割安とされていた時期の下げ要因とその後の推移、そして現在との共通点から今後の可能性について切り込んでいきます。