ビットコイン市場心理を数値化するシリーズ③
シリーズ3回目の今回は、ビットコインのブロックチェーン動向を分析する指標の中でも、あまり知られていないけれどパンチ力が半端ない指標について書いてみようと思います。その名も「Average Dormancy(平均休眠期間)」です。
「またマニアックな指標の話?」と思った方、ちょっと待ってください!これ、ビットコインを大量かつ長期間保有している長期ホルダーのビットコイン動向を追ったものなんです。
今回はそんな魅力的なAverage Dormancyについて、できるだけわかりやすくご紹介します。
平均休眠期間って何?引きこもり?
「平均休眠期間」って聞くと難しそうですよね。
この指標を軽く説明すると、「目を覚ましたビットコインがどれくらいの期間眠っていたか」を表すものだと考えれば、わかりやすいかもしれません。
ちょっと身近な例で考えてみましょう。あなたのタンスの中に、5年前から入れっぱなしの1万円札があるとします。それを今日使ったとしたら、その1万円は「5年間休眠していた」ということになります。
きっとその1万円は、1ヶ月前に親戚からもらい、デスクの上に封筒に入ったまま置き去りにされている1万円とは、重みが違うはずです。
それだけの思い入れがある「5年間寝かした1万円」を使うからには、きっと所有者には大きな目的意識があると考えられませんか?
この指標は、そんな「目を覚ましたビットコインがどれくらいの期間眠っていたか」の平均値を教えてくれるものなんです。
計算方法もシンプルでわかりやすい!...と言いたいけど
実は計算は少し複雑です。でも大丈夫、ポイントだけ押さえましょう。
Average Dormancy = コインデイ破壊量 ÷ 取引量
「コインデイ破壊量」って何ってことなのですけれど、「1BTCを1日保有したら1コインデイ」というポイントのようなものが貯まります。そしてそのビットコインを動かすと、貯まっていたポイントが「破壊」される...という考え方です。
前の章で紹介したように、「寝かされた1万円を使う時の方が、苦労なくもらった同額を使うよりも何か大きな事情があるはず」という考え方に基づいています。
ちょっと難しいですね。でも大丈夫、この計算式を覚える必要はありません。重要なのは「どう読み解くか」ですし、簡単に表示してくれる無料サイトもあります!
2025年2月の短期ビットコイン天井を教えてくれていた
平均休眠期間がなぜスゴイかというと、いわゆる「ビットコインの長期大口保有者」の本音が見えてくるからなんです。
ここからは、Average Dormancyという用語に統一して説明していきますね。試しにCryptoQuantのサイトから指標を出してみました(図1)。
https://cryptoquant.com/asset/btc/chart/network-indicator/average-dormancy

↑図1:Average Dormancyが100を超えたのちにBTC価格は下落している
ざっとみただけでも、この指数が上に跳ねたタイミングでビットコインが短期的な天井を付けていることがわかるのではないでしょうか?