今年のLightning Network関係の予測で注目していたことの一つに取引所のLightning採用がありました。実際今年に入って想定より少し早いタイミングで大手取引所の一角、OKCoinが先日Lightning Neworkへの対応を発表しました。その少し前にはBittrexがStrikeとタッグを組みLightning対応を発表、Krakenが正式に2021年中にLightning対応を宣言、またベトナムのビットコイン取引所でLN対応するところも出てきており、取引所によるLightning採用が今年に入ってすでに加速化しています。
https://bitcoinmagazine.com/.../okcoin-to-integrate...
Lightning Networkを取引所が採用するメリットやユースケースはなんでしょうか?これは以前BitfinexがLightning対応を発表した時に大石さんが実際に試してみてコラムを書いていました.
一部おさらいになりますが、最も大きいメリットはLNに対応している取引所間のビットコインの移動の低コスト化と即時化によるトレーダーのアービトラージ機会の提供だと思います。ご存知の通り今は取引所間でビットコインを移動する場合はビットコインのオンチェーントランザクションでビットコインを移動するので、比較的コストが高く(数百円から数千円)、また入金が承認されるのにも最低でも約30分程、ネットワークの混雑状況次第では1時間以上かかることもよくあります。このせいでアービトラージや売買のタイミングを逃したことがある人もいるでしょう。自分もあります。結局そうすると取引所間で素早くコインを動かしたい場合は、ビットコインではなくより送金手数料が安く承認が早いXRPなどで送金するというのがトレーダーの常套手段になっていました。
OKCoinもLNによるコスト削減とスピードアップを特に強調しており、今までのビットコインのオンチェーン方式に対して、100倍以上のコストやスピードの改善が見込まれるとしています。(比較表参考)
上記のようなLN採用のベネフィットは以前から考えられていましたが、Bitfinex1社が採用しているだけでは取引所間の高速送金などの実利がなかったのですが、主要取引所が数社対応に動いたことでついに本格的にLightning採用の効果や実ユースケースが生まれていく土台が出来てきているのが重要なポイントです。逆に言えば、大手が数社参入してきたことでLNに対応していない取引所のディスアドバンテージや機会損失が今年の年末くらいにかけて大きくなっていく可能性もあります。