今年9月のビットコインは頑張りましたね。過去6年間、ずっと月次成績がマイナスだったところを、本年はプラスで終えることとなりました。拍手!このまま、3万ドルの壁も越えて上昇をして頂きたいですね。
さて、足元で上昇するビットコイン価格はめでたいものの、長期的には少し気がかりなことがあります。以下はオンチェーン分析の先駆けでもあるWillyWoo氏が表明した懸念を取り上げた記事です。ポイントだけ紹介してみますね。
Willy Woo Reveals His ‘Big Worry’ for Bitcoin As BTC Begins To Trade Like Other Macro Assets
「ウー氏によれば、ビットコインのシャープレシオ指標は、BTCデリバティブが現れ始めた2019年以来、徐々に低下しています。」
用語説明(AI):
シャープ比率(Sharpe Ratio)は、投資の収益とそれに伴うリスクの関係を評価するための指標です。シャープ比率が高いほど、投資家はリスクを取って収益を上げていることを示し、リスクを取る価値があると言えます。逆に、シャープ比率が低い場合、リスクに対して得られるリターンが低いことを示し、投資戦略が効率的でない可能性が高いです。
「2018年から2019年にかけて何が起こったのでしょう?それはビットコインの金融化でした。無期限スワップ契約、限月先物、つまりビットコインがペーパー資産化されていったのです。」
なるほど、確かに的を得ていますね。Woo氏が運営するサイトに、シャープ比率を比較できる機能がありましたので、試しにビットコインと米株とを乗せてみたのが下の図です。
2014年から2021年末まではシャープ比率は2を維持していましたが、2022年に入ってから割り込んでいます。端的にいえば、リスクに見合うリターンが得られにくくなっているということです。
Willy氏は2018年から19年にかけてのペーパー資産化に言及していますが、その期間中のシャープ比率は別に悪くありません。おそらく理由は、私設取引所のデリバティブへの入金の多くがビットコインを経由しており、現物を購入する実需が存在するからでしょう。
もしシャープ比率の急降下の原因を一つ挙げるなら、アメリカのSEC(証券取引委員会)による規制でしょう。