2023年4月25日 8 min read

Vol.205 中銀デジタル通貨でビットコインは暴騰するか?(2023年4月25日)

Vol.205 中銀デジタル通貨でビットコインは暴騰するか?(2023年4月25日)

ビットコインの買い場と売り場を簡単に見つける方法を、ご存じでしょうか?

その名もビットコイン・ラウンド戦略。方法は単純です。

ドル建て&円建てのビットコインが両方ともラウンド(大台・00番)に到達した水準を見るだけ

下のチャートで説明します。ビットコインは①で買われ、②で売られています。

もうお気づきでしょうか?

① 「円建て300万円割れ」 & 「ドル建て2万ドル割れ」両方を満たす → 買われる

② 「円建て400万円超え」 & 「ドル建て3万ドル超え」両方を満たす → 売られる

簡単ですから、どうぞ参考にしてください。本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

… で終わるとつまらないので、少しだけ補足を。

今のビットコインは比較的「値段主導」で動いています。移動平均線やチャートの分析なども効きやすい状況。2022年などと比べると、ずいぶんと様変わりしましたね。

では「値段主導・チャート主導」の動きになりやすいのは、どのような時なのでしょう?このあたりは、またセクションの最後で少し数字も交えて話してみようと思います。

さて本日のお題は「中銀デジタル通貨(CBDC)はビットコイン価格を暴騰させる」です。

参考までに”中銀デジタル通貨(CBDC)” の定義をChatGPTに説明してもらいましょう。

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CBDCは「中央銀行デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)」の略であり、日本語では「中央銀行デジタル通貨」または「CBDC」と呼ばれています。

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はい、よくできました。それではCBDCの良い点と悪い点を簡単にまとめてもらいましょう。まずは長所から
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長所:

  • 効率の向上: CBDC は、従来の銀行システムと比較して低コストで即座に送金できるため、金融取引の速度と効率が向上します。
  • 強化された金融包摂: CBDC は、銀行口座を持っているかどうかに関係なく、スマートフォンを持っている人なら誰でもアクセスできるため、金融包摂の促進に役立ちます。
  • 金融政策の改善: CBDC は、中央銀行がマネーサプライをより強力に管理できるようにし、金融政策の実施を促進することができます。
  • 詐欺の減少: CBDC は、その透明性と追跡可能性により、金融詐欺やマネーロンダリングの発生率を潜在的に減少させる可能性があります。

これを読むと、中間に位置づけられる銀行は即座に不要となりそうですね。

日本で考えた場合ですが、今の銀行送金は日銀の帳簿残高を足し引きして送金(日銀ネット)しています。セントラルサーバで処理するCBDCなら、日銀だけあれば事足りるでしょう。

さらに中央銀行が景気刺激を狙って市中へお金を行き渡らせるにしても、卸機能を持つ銀行から先に行かない弊害が今まではありました。

個人が直接ウォレットを保有して、そこに中銀が新規発行したCBDCを送り込む。そして発行のタイプによっては利用用途と有効期限を切ってしまう

そうすれば無駄に銀行預金へ積まれることも無く、消費に回せます。しかも世帯ごとに何にお金を使っているか一目瞭然。所得別に必要となる施策も、一発でデジタル統計から明らかになることでしょう。

そもそも、今の銀行は集めた預金で国が発行する国債を買い利ざやを稼いでいます。それなら国民が直接国債を買って、国が全額保証を付ければ済むだけの話ですからね。

さて次は短所の確認です。

短所:

  • プライバシーに関する懸念: CBDC は、政府や中央銀行に個人の金融データへのアクセスを提供する可能性があるため、プライバシーと監視に関する懸念が生じます。
  • 仲介者の排除: CBDC は、金融システムにおける仲介者としての銀行の役割を弱体化させる可能性があり、金融​​の安定性に意図しない結果をもたらす可能性があります。
  • 技術的な課題: CBDC の開発と実装には、かなりの技術的専門知識と投資が必要です。
  • サイバーセキュリティのリスク: CBDC はサイバー攻撃に対して脆弱であり、標的にされた場合、金融の安定に深刻な影響を与える可能性があります。

プライバシーと利便性とは表裏一体。中央がプライバシーに権限を持たない信用制度を作るなら、ビットコイン以外に選択肢はありません

逆にプライバシーさえ気にしなければ、中央政府が中央サーバで管理するCBDCは低コストかつ効率的。日銀が国民と直接口座で取引すれば、中間銀行を経由する必要もありません。美しき効率的な中央集権の完成です。

と、ここまでは日銀がCBDCを導入するという体で書いてみました。ですが投票率が高齢者に偏る日本では、すべての通貨をデジタル化はできないでしょう。無理に進めたとしても、結局は既存通貨との2重流通が続きます。

重複するシステムを使うなら単純にコストがかさむだけ。実効性はないでしょう。しばらくは銀行も安泰です。とはいえそれは日本の話。中国と米国は、ずいぶんと事情が異なります。

まずはタイムラインを確認しておきましょう。

2023年6月

中国・江蘇省の公務員は給与をデジタル人民元で受け取り始める

https://edition.cnn.com/2023/04/24/economy/china-digital-yuan-government-salary-intl-hnk/index.html

2023年7月

米国のFedNowサービス開始(デジタル通貨ではないと明示)

Federal Reserve announces July launch for the FedNow Service

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/other20230315a.htm

Is FedNow replacing cash? Is it a central bank digital currency?

https://www.federalreserve.gov/faqs/is-fednow-replacing-cash-is-it-a-central-bank-digital-currency.htm

さて問題は米国の議会です。2023年3月、中央銀行ボスであるパウエル氏はCBDCについて、「まずは議会の許可が必要になることだ」とコメントをしています。

その米国議会は、債務上限の引き上げ合意がなされていません

米議会予算局が警鐘“債務上限を引き上げなければ7月にも財政資金枯渇

https://news.yahoo.co.jp/articles/1278596b2cad32569b87eed34bb630e60689cc1c

なぜ7月に資金が枯渇するかというと、米国の税収はほとんどが4月と6月に入金されるからです。とりあえず税収が入る4月はしのいだので、6月まで持たせられれば7月まではどうにか。でもその先は、翌年4月まで膨大な収入無し期間が横たわっている...

このような状況のなか、米国の窮地を切り抜ける資金調達案としてCBDCを使った現金発行の道に白羽の矢が立つ可能性はあるのでしょうか?ここからは推測も入ってきますが、少し気になる動きを確認しておきましょう。

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