「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」。2023年を迎えてから上昇一手のビットコインは、まるで川端康成の ”雪” が ”天” に変わったのではと思うほどの好調さです。
ところで ”国境の長いトンネル” のモデルとなった JR上越線清水トンネル建設費は、1922年着工当時の金額で1,500万円、現在価値に換算すると約150億円とのこと。
出典:にいがた土木構造物めぐり http://jsce-niigata.com/introduction/article/007/art007.html)
つまり円の価値は100年間で1/1000(せんぶんのいち)に下落したことになります。
まさかトンネルの建設費用から法定通貨暴落の歴史を振り返ることになろうとは、ビットコインも粋な演出をしてくれたものです。
さて新年のビットコインニュースで「これぞ新時代!」と感じたのがこちら。
Why Congo’s most famous national park is betting big on crypto (MIT Technology Review)
https://www.technologyreview.com/2023/01/13/1066820/cryptocurrency-bitcoin-mining-congo-virunga-national-park/
コンゴで最も有名な自然公園が水力発電とビットコインの採掘で運営費を確保し生き延びているというもの。
参考までに場所を確認すると、赤道直下でした。そりゃ水も豊富ですね。地の利を生かした方法とも言えそうです。
さて記事の内容をざっくりまとめると、、、
- コンゴで最も有名な自然公園がマイニングで運営費を確保している
- 誘拐・エボラ熱・COVID・誘拐で観光壊滅のなかで見つけた光明だ
- 政府は必要予算の1%しか出さずマイニング無ければ公園は閉鎖してた
- 公園内の川を使った水力発電で20万ドル相当のマイニング機械を稼働
- 余剰エネルギーで採掘するためBTC価格が1%に下落しても利益が出る
- 水力発電の余剰電力で近隣の工場も稼働できている
- 発電施設の建設に参加した労働者の一部は民兵だった
世の中には日本のような平和が低コストで確保されている国ばかりではありません。汚職・殺害・融解・伝染病・国有インフラの私有化。
そんな障害に囲まれ、運営を諦めて廃棄された自然インフラを持つ施設も多かったことでしょう。
それをビットコインの採掘が解決したというのは、大きなニュースだと感じます。
ポイントは、自然公園の運営者がビットコインの採掘で「儲け」を得ようとはしていない点です。目指すのは公園の「守り」。
つまり「儲け」から「守り」へ。これこそビットコインが社会インフラとして活用される道かもしれないなと感じた2023年の立ち上がり月でした。
踏み上げ爆弾で暴騰したビットコインとイーサリアム
さて絶好調の暗号通貨ですが、値動き自体は「踏み上げ爆弾で暴騰」となっています。ちょっと先週のコメントを振り返っておきましょう。
一部の参加者は売り玉の撤収が完了していないようです。たとえばハイレバレッジな取引で有名なByBitなどは、1月1日の時点で(全体平均が)4倍超のレバレッジとなっています。
特にイーサリアムなどは、建値の平均を仮に1,150ドルとした場合、4倍レバレッジが精算される値位置は1,420ドルあたりに位置しています。
デリバティブの参加者が高いレバレッジで売り玉を積んでいたので、それがひっくり返る(買い戻される)レベルでは値上がりも加速しやすいよね・・・という意図のコメントでした。
振り返ってみれば、結果的に1,420前後を境に上昇が加速しています。売り手の損切りで急激な買い戻しが入り上昇することを「踏み上げ」と呼んだりしますが、ロス側を経験したことのある参加者にとっては、内臓が重たくなるようなチャートではないでしょうか。怖いです。
特大ホームラン|イーサリアムの建玉明細で実弾の動きを把握
さてイーサリアムは、1月10日〆のCME建玉明細でも派手なホームランをぶっ放しています。景気が良すぎて3度見するほどでした。このまま、いつもの定点観測に突入していきましょう。