2022年10月24日 9 min read

Vol.180 ビットコインは急騰間近か ~ 空売りペーパーマネーの容量限界値が近い (2022年10月24日)

Vol.180 ビットコインは急騰間近か ~ 空売りペーパーマネーの容量限界値が近い (2022年10月24日)

○ 不動明王

○ 動かざるごと山のごとし

○ 石の上にも三年

今のビットコインを言い表すなら、上のどれでしょうか?浮かれた外国為替のFX市場とは一線を画し、不動のビットコインには大物の風格も漂いはじめています。

さて、そんなボラティリティが消えてしまったビットコインですが、急騰も間近に近づきつつあるかもしれません。

もちろん、データから見た状況というだけですので、実際の上がり下がりは別の話。それでも、ビットコインを囲む市場のセンチメントは急変間近に来ているようにも見受けられます。

いくつかポイントを整理して確認しておきましょう。

投機組の売りポジションは容量も限界に近い

さて先物市場で空売りすることを、英語で「ショート」と呼びます。短期間(Short)で利益を上げられる可能性が高いことが語源だそうですね。

ここで鋼の錬金術師の名言をお借りしましょう。

「人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない。何かを得るためにはどれと同等の代価が必要になる」

短期間で利益を上げられる可能性を得るなら、なにかの犠牲を払う必要があるはずです。そう、短期間で損失を出してしまうリスクです。

ビットコインにしろ、ゴールドにしろ、現物を買って持っておくだけなら保有する期間に制限などありません。値段が十分の一になろうが、また10倍になれば損失は「なかったこと」になります。

ですが、レバレッジ取引で「ショート」を前提とした場合、事情は180度異なってきます。

すごく単純化するため、証拠金の維持率などの制約は無いものとして、またWTI原油ごとく現受け不可で値段がマイナスになるということも、一旦は無しにして考えましょう。

仮に10,000ドルの証拠金で10,000ドル分のビットコインを「買い持ち」OR「売り持ち」した場合の最大損失を考えてみます。


買い持ちの場合:

ビットコインを10,000ドルでロング(買い) → 0ドルに下落: 10,000ドルの損失が最大(ナンピンしなければ)

売り持ちの場合:

ビットコインを10,000ドルでショート(売り) → 20,000ドルに上昇: 10,000ドルの損失

ビットコインを10,000ドルでショート(売り) → 30,000ドルに上昇: 20,000ドルの損失(元の証拠金10,000ドルに追証10,000の支払義務)

ビットコインを10,000ドルでショート(売り) → 60,000ドルに上昇: 50,000ドルの損失(元の証拠金10,000ドルに追証40,000の支払義務)


もちろん現実には証拠金の維持率が一定の比率を割り込んだ時点で強制決済。ポジションは跡形もなく消えてなくなります。現実に存在しない選択肢を考えても意味ない?いえいえ、ここで考えるべきはポジションを保有する人の心理です。

単純に言えば、売りポジションの保有には損失無限大の心理的な重荷がともなうということです。だからこそ、売りポジションを持つ人は、損失回避への反応が早くなる傾向があります。

レバレッジ取引で保有したポジションを閉じるには、反対売買するしか手段がありません。つまり売手が損失拡大の回避に動く時は、一気怒涛の買い圧力が市場に流れ込むことになるわけです。そして今のビットコインは、売りポジションの巻き戻しが発生しやすい状況へと到達をしています。

たとえば下の図は、CryptoQuant社が公開しているデリバティブ市場のレバレッジ比率です。

https://cryptoquant.com/asset/btc/chart/market-indicator/estimated-leverage-ratio

レバレッジ比率が加速度的に高まっていますね。現在は③なわけですが、値動きとレバレッジ比率が真逆に動いています。少しクローズアップしてみましょう。

加速するレバレッジ比率

10月1日以降、レバレッジ比率は上昇するもビットコイン価格は横ばい。今は現物が売られていないことを考慮すると、デリバティブの新規売りが建てられるも、いまいち下がらない様子を見て取れます。

参考までに、10月19日にクリプト通信内で書いたコメントを引用してみます。

2022年10月19日クリプト通信から引用

その後の値動きは下のとおり。19,500ドルで売るも、18,750では買い戻し。

18,750ドルで買い戻されるビットコイン

なぜこんな状況になっているかといえば、現物を売る人が残っていないからです。だから先物の手口も見え見え。

出入り口が特定されやすいというのは、あまり売手にとって有利な状況ではないとも言えるでしょう。

この動きは、CMEのビットコイン先物を見ても確認をすることができます。引き続き掘りすすめてみましょう。

CMEビットコイン先物の売り玉もキャパ一杯

ここまでは、デリバティブ市場で積まれた売りポジションは、解消する時にエネルギーを一気に開放して値上がりへとつながる構造を説明してみました。

では、同じようにCMEの先物市場を確認しておきましょう。せっかくですから、少し長めの時間軸を使ってみます。

(一般公開ここまで)

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