○ 【アーサー直伝】 米ドルの流動性がビットコイン価格を決める
○ TradingViewで米ドル流動性を確認する方法
○ ETHマージ期待は消えてなくなった?
○ 半減期をすでに織り込んでいるビットコイン
夏の暑さも和らぎ、ずいぶんと過ごしやすくなりましたね。気温が下がると暗号通貨への熱気まで下がってしまうのは、なにかの偶然でしょうか?
本日はビットコインが2万ドルを割り込んでからのスタート。尻上がりな動きを期待したいところですね。
さて本日の記事は、冒頭に挙げたトピックを書いてみたいと思います。
アーサー・ヘイズ氏直伝 ~ 米ドルの「真の流動性」がビットコイン価格を決める
ビットコインが中央銀行の発行する通貨の量に影響を受けるというのは、もはや常識となった感もあります。
ただ、その「量」を具体的に数値化し「使える」材料にまで仕上げている点で、Arthur Hayes氏の最新記事は相当に有用なものだと感じました。
そこで、記事の核となる部分を意訳で紹介しつつ、後半では彼のモデルで現状のビットコインの立ち位置を考察してみることにします。
※ 注:かなり意訳していますので、正確な内容を知りたい方は、本文を確認されてみてください
出典記事:Teach Me Daddy, Arthur Hayes23 Aug 2022
「ドルの量は、ドルのコスト(金利)よりも重要である」というDaddyFelixの考え方をようやく理解したので紹介をしたい。
NY FEDはバランスシートのサイズを縮小させ、ドルの流動性を引き締めるはずである。だが、DaddyFelixいわく、この引き締めは他の方法で打ち消されているという。
さらに私の友人は、自分のマクロ理論(Fedの方向転換)と真っ向勝負する理論を送ってきてくれた。彼は自分自身の流動性指標を作り、今の引き締め状況を監視している。これが私にも同じことをしてみる動機を与えることになった。
米ドルの流動性は、以下の3点で決定をされる。
1. NY FEDバランスシート残高
メンバーの銀行がFEDに米国債や住宅ローン証券を売却することと引き換えに、 FEDは ”お金”の形態で銀行口座に信用を付与(クレジット)する。(8/30訂正)
2. NY FED保有のリバース・レポ残高
NY FEDは認定された相手がドルを預け入れ、金利を受け取ることを認めている。ここに預け入れられた資金がNY FED口座に入ると、死んだお金になる。なぜ死に金かといえば、FEDは受け取った資金を商業貸出に回さないから。
(中略)
たとえばMMFなどは、最小のリスクを求めて、Fedに資金を可能な限り預けておくことを志向する。
3. NY FED保有の財務省一般会計口座残高(The US Treasury General Account (TGA) balances with the NY Fed.)
これは財務省の当座預金口座である。減少するとき、財務省は経済にお金を注入し活動を生み出す。増える時、在無料は資金を留め置き、経済活動を刺激しない。
また財務省が債権を売ったときも口座残高は増える。この(債権売りでTGA残高を増やす)行為は、市場から(ドルの)流動性を抜き取りることになる。なぜなら、(債権の)買い手は引き換えにドルを差し出す必要があるから。
さてここで簡単にまとめると、米ドルの流動性は以下のように増減する。
米ドルの流動性が上昇
○ Fedバランスシート残高 - 上昇
○ リバース・レポ残高 - 減少
○ TGA残高 - 減少
逆もしかり
(中略)
米ドル流動性状況の指標は以下の数式で作れる。
「FEDのバランスシート残高」-「NY FEDリバースレポ残高」-「 NY FED保有のTGA残高」
今の暗号通貨市場では、ビットコインが高い相関性を示しており、時として米ドル流動性指標の先行指標として機能している。
意訳は以上です。
ArthurHayes氏の示した米ドルの流動性指標は、一般に公開されているデータから作表されたもの。
以前であれば限定された参加者しかアクセス出来なかった情報も、ずいぶんと無料で公開をされるようになっています。
情報の非対称性が小さいのも暗号通貨の魅力ですね。なお、TradingViewでも簡単に作図することができますので、数式は続編の記事で簡単に説明をいたします。
ご興味ある方は、ぜひご覧になってみてくださいね。