ステーブルコインの「安定」で市場に安心感をもたらすか?Tetherの資産概要を確認してみる
米ドルとペグするステーブルコインのなかでも、圧倒的No.1のシェアを保ち続けているテザー。8月19日には、BDO監査法人による裏付け資産の公開がありました。
暗号通貨への「出入り口」を担うコインの動向は市場の信頼性にも直結します。
過去に「ブラックボックス」や「詐欺」などの非難を受けてきたテザーの最新状況を知っておくことは、有用かもしれません。
早速見ていきましょう。利用したデータは以下のとおり。
参考:Tether Holdings Limited
INDEPENDENT AUDITORS' REPORT ON THE CONSOLIDATED RESERVES REPORT
軽くポイントだけ列挙してみます。
- 監査日は2022年6月30日
- グループの資産総額は、66,409 MILLION USD
- 同じく負債総額は、66,218 MILLION USD
以下はドキュメント内にあった資産総額を割合に換算したグラフです。
長らく懸念されていた約束手形(COMMERCIAL PAPER) は、前回の報告時と比較して半分以下へと減少しています。同社CTOのPaolo Ardoino氏によれば、10月までに「約束手形は0にする」とのこと。
一番困るのは、ステーブルコインの発行者が預かった資金を長期間ロックされる資産へと投じ、市場の暴落時に大量の引き出し要請をこなせなくなることです(テラがそうでした)。
テザーが今回公開した資産配分をざっと見る限りでは、大量の引き出し要請にも応えられる十分な流動性を確保しているように見受けられます。
ステーブルコインは法定通貨と暗号通貨を橋渡しする役割を背負ってますから、そのNO.1のプレイヤーが安定した資産を明らかにしたことは、市場にとってポジティブな要因ではないでしょうか。
8月入りしてからは、テザーの新規発行も徐々に復帰をしてきています。このまま存分に法定通貨から資金を吸い上げてもらいたいところですね。
ジャクソンホールは暗号通貨にもストレートに影響