Cosmos周辺でドラマがありましたね。調べてみると中々クレイジーかつ、PoS系コインやガバナンスの話にも示唆があるので、今回は一連のCosmosとFounderの騒動について説明します。
Cosmosついては以前レポートを書いており、財団や開発会社(AinB)へのコインの集中、Stakingインセンティブの不足などについてすでに指摘していました。
なお、自分は細かく普段からCosmosのコミュニティを追っているわけではないので、もし補足や訂正がある部分があれば、 是非お願いします。
COSMOSとJAE騒動の経緯
騒動の詳細は、正直に言えばよくある創業社長のワンマンの失敗や迷走、みたいなものなのであまり重要ではないです。ですが、ある種のネタとしては中々面白く、創業者でTendermintプトロコルの生みの親でもあるJae Kwonが、半年くらい前からCosmosのIBC(Interblockchain protocol)の開発をほったらかして、Virgoという環境保護云々のプロジェクトになぜか熱中し始めた、ということのようです。(ちなみにこのVirgoというプロジェクト、中身は全然見てないですがどうやら中は空っぽのハリボテプロジェクトのようです…)
さらに、ツイッターで本人の裏垢のようなものを運用し始め、自らアカウント名を「Cosmuhammad Bitcoin Jaesustein」というものにしてツイートしていたようです。これは「コスモス」と「ムハンマド」と「Bitcoin Jesus」を掛け合わせたパロディのような名前になっていますが、どうやら本人は大まじめにこれでツイートしているようです。なんだかよくわからないですが、メンタルの問題というか色々香ばしさを感じますね。というわけで自分も含めCosmosコミュニティ外部の人たちはこれらの異変に気付いている人はそこまで多く無かったと思いますが、ここ数か月水面下で問題がどんどん悪化していっていたようです。
問題が公に
そして昨日とうとう、Tendermint社のディレクターで、コスモス開発コミュニティのリーダー的存在のZaki ManianがTwitterで公開で以下の内容でJaeの周辺で起きていた問題を強烈に批判しました。
以下大意
- 創業者がCosmosを離れることがCosmosの分散化につながるというJaeの主張は嘘で、実際には責任を回避しようとしているだけ
- JaeのVirgoへの固執や予算の濫用などでCosmosのIBCの開発は著しく遅れ、すでに多くの開発者が去ってしまった
- AiBはJaeが単一障害点のようになってしまっており、彼の影響を取り除かなければ開発は進まない
- Cosmosの開発コミュニティはJaeやAiBとは別に存在し、彼らが今までも大きな貢献を果たしたし、これからもコミュニティのパッションは変わらない(はず)
というような旨の発言をし、これに対して賛同するコミュニティメンバーが他にも出てくる、という何とも人間臭い状況に発展しました。これに対してJae側はちょうど数時間前にInterchain Foundationを通してコメントを発表し、
- 一連の騒動は短期的なもので、財団は影響は受けず今後も開発者支援などを継続していく
- 財団は複数の関係者により運営され、意思決定は個人(つまりJae)が単独で行うことはない
- Cosmosネットワークはみんなもので、一つの団体にコントロールされたり、保有されているものではなく、分散化されている
上記の主張を改めて発表しました。