このコラムを公開する2022年9月14日はイーサリアムにおいて"The Merge"という大型アップグレードが予定されています。ワクワク楽しみな人もいれば頭の痛い関係者もいるかもしれませんね。
さて、この大型アップグレードですが、ハードフォークにより少なくとも2つのチェーンに分岐することが予想されています。
ハードフォーク自体はビットコインとビットコインキャッシュとが分かれた歴史を見届けてきた古株にとっては、ああ、またあるのね、といった程度の話題かも知れません。
ですが、今回の話は個人的には色々とあった暗号資産の歴史の中でもなかなかにユニークなイベントだと思っています。
例えば、
- Proof of WorkからProof of Stakeへの移行でインセンティブ設計が大きく変わる点
- 無数のスマートコントラクトが稼働しているチェーンのフォークな点
- 無数のERC20トークンが管理されているチェーンのフォークな点
といった点だけでも、フォークしたらどうなっちゃうんだろう、と思考が追いつきません。
ビットコインキャッシュ誕生の時は2つのチェーンともにPoWであって、札束で殴り合い計算リソースを確保しまくるという、割と分かりやすい抗争となりました。
ですが今回は片方はPoS、もう片方はPoWでいくぞ、となってるようなんですね。
異種格闘技戦というか、もうよく分かりません。
スマートコントラクトの著者からすると、コントラクトプログラムのリリース先に選んだホスティング事業者が勝手に2つに分かれちゃって、それぞれがプログラムをコピーして動かしといたから、というんです。どっちが自分のリリースしたプログラムなんでしょう。
両方なの?メンテナンスは誰がするの?。。
こうした今はよく分からない疑問は半年後に答え合わせするに限ります。
こんな簡単な話なのに、あのときはなんであんな混乱していたんだろう、とかそういった感慨にふけってみたいものですよね。
さて、答え合わせというと時間が立ちすぎていますが、せっかくなのでビットコインの世界であったビットコインキャッシュ分裂騒動を振り返って見て、今回の"The Merge"への予習としましょう。