2024年12月9日 5 min read

Vol.289 訴訟リスク回避で30万BTC買い?アマゾンの合理的選択とは(2024年12月10日)

Vol.289 訴訟リスク回避で30万BTC買い?アマゾンの合理的選択とは(2024年12月10日)

こんにちは!米国で驚くべき展開が起きています。なんと大手企業が「ビットコインを保有していない」という理由で株主から尻を叩かれる事態が起き始めているのです。

今日は、なぜ企業がビットコイン保有を真剣に検討せざるを得なくなっているのか、その背景と今後の展望について、最新の動向を交えながら深掘りしていきましょう。

企業の新たな経営リスクはビットコイン「非保有」という選択

ビットコイン価格が10万ドルを突破しはじめる中、米国企業の経営陣に新たなプレッシャーが加わっています。

「株主価値の最大化を怠っている!」

これは12月6日にアマゾン株主から提出された提案です。

アマゾン株主が要求 - 「なぜビットコインを保有しないのか」戦略的評価の実施を

内容は、総資産5,850億ドルのうち880億ドルが現金同等物として保有されているアマゾンに対し、「なぜ株主価値を上げるためにビットコインに投資しないのか」という指摘です。

株主からの圧力:

提出したのは米国公共政策研究所(NCPPR)というワシントンD.C.を拠点とする保守系のシンクタンク。主に政府の規制に反対し、民営化を推進する点が特徴的な非営利団体です。

タバコ企業から資金提供を受けていることなどから、物議を醸すこともある団体ではありますが、どちらかと言えば自由市場的な立場から政策提言を行っています。

なお、NCPPRは今年10月にもマイクロソフトに対してビットコインへの投資評価を行う提案を出しています。

マイクロソフト、12月株主総会の議決項目に「ビットコインへの投資評価」を設定(新しい経済)

この提案に対しマイクロソフトは、「取締役会はこの提案に反対票を推奨する」という文言で対応をしています。

ただ、、、提案が出された時期は10月ですから、まだビットコインが6万ドル台だったんですね。これが今は10万ドルとなっていますから、同じ提案が再度出た時には、かなり断りづらくなってきます。

「10月の提案を取り入れてアクションを起こしていれば、資産評価が6割も上がっていたではないか!株主価値の最大化を怠っている!!!」

って言われてしまいますからね。

ビットコイン価格の上昇とともに企業のビットコイン非保有訴訟リスクは拡大する

アマゾンへの提案で、NCRRは以下のようにも書いています。

「マイクロストラテジー社は貸借対照表上にビットコインを保有していますが、過去1年間で同社の株価はアマゾン株を537%上回るパフォーマンスを記録しています!」

もちろんアマゾンにとってみれば「そんな結果論、知らんがな」という類の話でしょう。

ただビットコイン価格が10万ドルを超えて推移し続けることとなれば、同じような株主提案が同時多発的に起き始めることは、確実です。

そうなれば提案を受けた会社としては、訴訟で失うコストとビットコイン保有のリスクとを比べざるを得なくなります。

どちらにしても、米企業にとってビットコイン0保有ポリシーを継続するなら、それなりの訴訟リスクを覚悟する時代になってしまったということですね。

訴訟リスク回避で30万BTC買い?アマゾンの合理的選択とは

アマゾンがビットコインを保有しないことで抱えるリスクは、具体的にどの程度の金額になるのでしょうか。

結論から書くと、訴訟費用と株価毀損リスクの合計で、300億ドルに到達する可能性があります。ビットコイン価格が10万ドルなら、30万BTCに該当してしまうのです!

ここからは具体的な数字の計算過程を明らかにしていきましょう。

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