こんにちは。みなさん、最近の物価上昇に頭を悩ませていませんか?実は、日本の物価サイクルには、ある特殊な傾向があるんです。
今回の記事では、この傾向を分析するとともに、今は買うべきモノは早めに調達しておいた方がよいかもしれない・・・ということを書いていきたいと思います!
日本のインフレは上げと下げとでリズムが異なる
日本は国土がさほど大きくなく、資源の少なさを知恵で克服してきた国です。加工品を海外に売り、その利益で海外から資源を買うことで、発展してきたのは皆さんもご存じのとおりです。
ですから、海外の資源価格が上昇すると輸入コストもあがることになります。すると国内の物価も追随して上昇します。
ただ、資源価格と物価の動きには、時間的なズレが生じます。理由としては、以下が挙げられます。
〇 企業が価格を商品へ反映させるための時間が必要
〇 在庫が消化されるまでは新しい資源価格が反映されない
〇 燃料などは長期契約で調達されている
この時間のズレ、実は物価が上がるときと下がるときとで、まるで違ってきます。ちょっと実際の動きを確認してみましょう。
以下のようなチャートを作製してみました。
- 上段↑:コモディティ指数を円建てに換算したもの(青い線)
- 下段↓:東京都の消費者物価指数(前年同期比;オレンジ色の線)
これを見ると、以下のようなことが明らかになります。
① 資源コスト上昇 → ほぼリアルタイムで物価上昇へ反映される
② 資源コスト下落 → 7~9か月のタイムラグを経てゆっくりと物価が下がる
上がるときは超速なのに、下がるときは牛歩並みの速度になる・・・ということですね。
もちろん、これは企業の生存本能によるものです。だって上がり続けるコストを製品に転嫁できなければ、利益が確保できず存続できなくなります。
逆に価格が下落しているとき、急いで追随する動機は、さほどありません。
まとめると、資源価格の上昇は物価に転嫁されやすく、下落は転嫁されづらい傾向がある・・・ということですね。
なお、今の資源価格が堅調に推移している背景については、銅価格について言及した「📈 Vol.227 🪙 ビットコインの動きは銅価格がヒント?(2023年9月25日)」が参考になると思われます。
簡単に要約で振り返っておきますね;
- 銅は景気の先行指標として知られ、中国経済やビットコインと連動することが多い。
- 住友金属鉱山の竹林社長は日経新聞に寄稿し、銅価格が年度後半から小幅上昇すると予測している。
- 中国の住宅ローン規制緩和で景気刺激の有効性が確認されれば景気も上向く。
- EV分野も引き続き堅調。
- 鉱山開発には資金が必要で、化石燃料の高騰で操業コストも上昇している。
- 投機家の売りポジションも2021年以降で最大の水準に達している。
- 2022年7月5日~8月2日の期間、投機家の売りポジションが現在よりも多かったが、その後銅価格は上昇した。
- 住友金属鉱山と大口投機家のポジションが同じ方向を示唆しているのは興味深い。
- 市場のチャンスは周りが騒いでいる時に足下に転がっていることがある。
銅価格の推移をみる限り、なかなか資源価格が急速に下がることは、想像しづらいかもしれませんね。。。
それでは、ここからは足元の物価推移がどのようになっているのかを確認しておきましょう。