もうすぐビットコインは半減期を迎えますね。北米の現物ETFが認可されてから強気な相場が続いています。
本記事では、ビットコインマイニング会社のヘッジ売りポジションの解消が、ビットコインの価格上昇を加速させる可能性について考察します。
※ あくまでも個人的な観測に基づく記事ですので、くれぐれも考え方の参考程度にとどめておいてくださいね。
それでは、さっそく行ってみましょう!
5万ドルあたりからヘッジ売りが解消され始めている
ヘッジ売りとは、将来採掘される予定のビットコインの一部を、マイニング会社が先物市場で先に売却しておくことを指します。
ビットコインは価格の変動が大きいため、下落に振れると会社の収益は大きく減ってしまいます。
そこで、現在の価格で将来の販売量の一部を先物契約で売り、将来の価格下落リスクを和らげるんですね。
このような活動をとおして、マイニング会社は安定した収益の確保を目指します。
ところが北米でビットコインのETFが認可されたあたりから、このヘッジで建てられたポジションの一部が解消され始めているようなのです。
なぜいまヘッジ売りが解消されているのでしょう?先に筆者が考えている結論を書いてしまいますね。
北米でETFが認可されたことでビットコインへの資金流入が加速する一方、ヘッジ玉を抱えているマイニング会社の株価は低迷を続けています。
株主にしてみれば、ヘッジ売りの存在さえなければ、ビットコイン価格の上昇で株価もウハウハになっているはずの状況です。
そこで株主たちは、マイニング会社が抱えるヘッジ玉保有への解消圧力を強め、徐々に買戻しが始まり、ビットコインの上昇に寄与していく可能性がある・・・ということを考えています。
どこかで聞いたことがあると思われた方は、鋭いです。実はこれ、過去にゴールド市場で起きたことなんです。
2004年にゴールドは、現物ETFであるスパイダー社のGLDが認可されます。新しい資金の流入はゴールドを力強く上昇させ、ヘッジ玉を抱えた産金会社の株価はゴールドに対してアンダーパフォームすることとなりました。
そこで株主たちは、産金会社が保有しているヘッジ売りポジションの巻き戻しを迫ります。結果として買い戻しは実行され、ゴールドは壮大な価格上昇を演じることとなりました。
これについては、以下の記事に詳しいので、一読をおすすめします。
振り返ってビットコインを見てみれば、原資産は現物ETFの認可で価格上昇をする一方で、マイニング会社の株価はビットコインに対してアンダーパフォームを続けています。
なにやら当時のゴールド市場と、そっくりですね。
ではここからは、具体的に今のビットコイン市場が抱えている、ヘッジ玉の買戻し圧力を見ていくことにしましょう。