ビットコイン、暴落シナリオVol.2 へようこそ!
私たち人間は予期せぬ事態に直面したとき、パニックに陥り突発的な行動を取りやすい特性を持っています。
だからこそ、今のように市場がビットコイン強気に傾いているタイミングではリスクシナリオを想定し、心の準備をしておく必要があると考えています。
このシリーズは、ビットコイン市場に起こりうる様々なリスクに対して、事前に「耐性」をつけておくためのトレーニングとしてご活用いただければ幸いです。
Vol.1では、コインベース社のコールドウォレットが攻撃されるシナリオについて考察してきました。
今回Vol.2では、トランプ大統領が政権から突然外れてしまった場合、市場にどのような影響がおよぶのか、そのリスクを考えていきましょう!
トランプ大統領が政権から外れる場合~
2024年のビットコイン市場を振り返ったとき、トランプ次期大統領がポジティブな影響を与えたことは、多くの人が認めるところでしょう。
トランプ氏は「アメリカを暗号資産の世界の中心地」にすると宣言し、ビットコインの現物ETFを却下し続けたSECのゲンスラー委員長を解任すると名言しました。
さらに「戦略的ビットコイン準備金」の創設構想をぶち上げ、アメリカ政府が5年間で100万ビットコイン(総供給量の約5%!)を取得するという計画を発表しました。
これらの発言やポジティブな政策への期待からビットコイン価格は大幅に上昇し、2024年12月には10万ドル(1600万円)を超える高値を記録しました。
政権交代の可能性は3割に!
では2025年のどこかで、トランプ大統領がもしも大統領の座から突然消えてしまったら、どうなるのでしょうか?当記事では、このシナリオについて考えてみたいと思います。
今回、このリスクシナリオを取り上げようと考えた最大の理由が発生確率の高さです。
2024年の選挙活動を振り返ってみると、トランプ次期大統領は3回の暗殺未遂に遭遇しています。(7月ペンシルバニア州、9月フロリダ州、10月カリフォルニア州にて)
もちろん、任期中に暗殺という事態が起きる可能性は、推測しようがありません。でもトランプ次期大統領が政権から突如消えてしまうリスクは、ある程度は推測することができます。
以下は人工知能に予測を出してもらったものです。
うーん、どうでしょう?正直なところ、政治・外的・自発的要因は、かなり当てずっぽうな感がします。というか、読むための条件が揃っていない感じですね。
それよりも明らかなのは、一番上の健康関連でしょう。
トランプ氏は大統領に就任する2025年1月20日の時点で78歳7ヶ月となります。この年齢は、これまでで最高齢の大統領就任となります。(2番目はバイデン大統領で2021年1月20日に就任した時点で78歳と61日でした)
実際78歳の平均的な白人男性が死亡する確率を計算してみたのですけれど、2年以内が11%、4年以内が21%となりました。なのでリスト最上部「緊急医療事態 20%」は妥当だといえそうです。
もう一つは、認知機能が衰えて正常な判断が下せなくなる場合です。
78歳の男性が認知症を発生するリスクは17.5%と計算されますから、上記リストの「認知機能低下 15%」は、かなり現実味があります。
バイデン現大統領も2024年の選挙戦では認知症を疑われる発言が頻発していました。ほぼ同年齢+@で就任するトランプ大統領が同じような情勢に陥ることは、十分に考えられます。
ではトランプ次期大統領が任期中に ① 緊急医療事態 (20%) もしくは ② 認知症(15%) いずれかになる確率はどの程度でしょうか?100%から①も②も起きない可能性を引いて計算してみましょう。
100% - (80% x 85%) = 32%
32% ですから、およそ ⅓ の確率でいずれかが任期中に発生することになります。
もちろん、現職の大統領に認知症傾向が見られたからといって、即座に政権から外される事はないでしょう。
ですが就任から短期間に認知症が進行してしまった場合は、2026年11月の中間選挙への出馬ができなくなってしまう可能性もあります。
これらを踏まえると、トランプ次期大統領が政権から外れる可能性は、およそ3割くらいは見込んでおく必要があると言えそうですね。
トランプ氏が政権から外れた時のビットコイン価格は、その時の状況次第
ではトランプ大統領が突然、政権から外れてしまった場合、ビットコインの価格はどのように推移するのでしょうか。
いくつかの人工知能に推移予測を出してもらいましたが、共通しているのは、最初に値下がりで反応し、ボラティリティーが上昇し、しかし中期的には回復して元の値を超えていくというものでした。
もともとトランプ大統領がビットコインに対して、ポジティブなコメントを出したのは、米国有権者数のうち21%が何らかの暗号通貨を持っていると言う事情に配慮してのものです。
この有権者構造が変わらない限り、次の大統領候補も前大統領の路線を引き継がざるを得ず、それよりも、政治的な不透明性から、安全資産としてビットコインが買われると言う姿を市場は想定するでしょう。
ただこれもその時の状況によっては、まったくもってネガティブな方向に転がる可能性があります。少し状況を整理して考えていきましょう。